アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

星野源「いのちの車窓から」を読んで

さまざまなものが優しくそぎ落とされていました。
彼の書く文章は、作られた音楽より先に好きになったくらい大好きなので、おそらく単行本化されたエッセイはほとんど読んでいます。
その中でも今回の「いのちの車窓から」は群を抜いていると思います。

 

いのちの車窓から

いのちの車窓から

 

 



彼の環境の変化、心境の変化など、さまざまな要因はあると思いますが、何より「書き続けている」ことの強みを今回とても強く感じました。
この「書く」ということに対する彼のこだわりが文中にも幾度となく出てきます。
謙虚であり、そして重ねて努力をする、その姿勢が見事に文章にあらわれています。

2014年12月から17年2月にかけて、雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載されていたものに書き下ろし2編を加えた構成。(そして実はこの2編がすごくいい!)
完全復活後の源ちゃんの今なお続く快進撃期間のあれやこれや。
これほどまでに国民的な人気者になってしまうと、遠くに行っちゃった感が出てくるものですが、エッセイの中の源ちゃんは、読み手に限りなく近いのです。
新垣結衣とちゅーをしても、紅白歌合戦に出ても、大河ドラマに出ても(こうやって改めて書くとすごいなぁ)やっぱり近くに存在している感じが変わらない。
彼の尊敬すべきところだな、と思います。

「SUN」について書かれた章がとても好きです。
作りたい音楽をじっくり作り、その作った音楽に対する気持ちが、受け手にこれほどまでにまっすぐにに伝わる曲。こういう曲はずっとずっと長く愛され続けると思います。
私の友人は、ご主人より付き合いの長かったペットのワンちゃんを亡くしました。悲しみに暮れている時、この曲がテレビから流れ、まるで自分たちの気持ちを歌ってくれている!と思えたそうです。そして曲の最初にあの満面の笑顔で呼びかける「こんばんはー!星野源でーす!」からも本当に元気をもらえたと。
いい歌というのは受け手にさまざまに形をかえた解釈を許してくれます。
何か大きな手により救われた源ちゃんが、今はたくさんの人に元気を与えている。
かっこいいじゃないですか!イカしているじゃないですか!

「ひとり」に対して歌う、語る、書く星野源。その「ひとり」が自分だということにみんな気がつけばいいな、と思います。こういう寄り添い方もあるんだな。
自分と向き合い、人と向き合い、源ちゃんはますます魅力的になっております。
私などが薦める必要が全くないほど、この本、売れまくりらしいのですが、それでも念のためお薦めしておきます。これは買いです!何度も読み返したくなる本だと思いますよ。
そして表紙のカバーを外して本体の表紙イラストを見るのもお忘れなく(笑)。