読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

春にして小沢健二を想う

音楽

流動体について

NEWS ZEROはまだ見ておりません。
なぜなら、こう頻繁に小沢健二を観てしまったら彼を好きになってしまうから(笑)
人というものは、見れば見るほどその相手を好きになる傾向があるそうで、事務所の力の強いアイドルが、常にテレビに出続けることにより、ますます人気が出るのは道理。
ということで、自分の中で目盛りを絞って小沢健二に接してきたつもりですが、昨日のNHK FM「きらクラ!」にて完全にしてやられました。

小沢健二に翻弄されるオザケンファンを横目で見ながら長年過ごしてまいりました。
その翻弄のされ方が端から見るとまたいい塩梅でして、何せこちとら生粋の岡村ファンは絶望からの復活というある意味「ゼロか100か」の翻弄ばかりを味わっておりましたので、小沢健二がファンに仕掛ける可愛らしい謎かけや魔法を非常に微笑ましく拝見しておりました。

先日のミュージックステーションはご覧になりましたでしょうか?
面白かったですねー、番組編成。←そこ?
まず最初に曲順発表。当然小沢健二はトリ。
全8組のアーティストのうち6組を最初の26分間で出し切りX JAPANで10分間、残りの時間ぜーんぶを使って小沢健二大特集。1時間でこれだけ無理をしたMステを初めて観ました。
まず、最初の登場、あの階段を下りてくる順番で小沢健二がトップであったことに動揺。心の準備が出来ないまま、ほんとに出てきたわっ!っていう驚き。そして、あぁ、彼は一般人としての生活もちゃんとやってきたんだな、という「芸能人」の歳の取り方とは違った年相応の姿にちょっと感動し、緊張感いっぱいの表情で階段を下り、タモリさんの隣にスラリと立った立ち姿にまた感動。
いわゆる王子様時代、小沢健二といくつも歳が変わらない私は「すかしたお金持ちのエリートボンボンめ」、と色眼鏡をかけて彼を見ておりました。←我ながらひどすぎ
しかし、こうして20年の月日が流れ、父親となった小沢健二その人は、まるで国立大の新進気鋭の文学部教授のような風貌。ある意味、彼の持つ素地から出ている太い矢印に限りなく添った形の48歳となっておりました。

Mステで歌った「ぼくらが旅に出る理由」そして「流動体について」という、なんだか時間旅行をしているような夢心地の流れ。自分が経てきた年数を彼の曲により一気に眺めたような気さえしました。
相変わらず、今後の予定としていきなり「フジロック出ます」という局アナを動揺させる発表を軽々とするところなどお元気そうで何よりと思ってしまいましたが、ラストの20年ぶりにMステに出ての感想を求められた時に
「20年間、この番組が音楽の灯をずっとともし続けていたことに感動しています」
ときっちり答えるところなど、さすがだわーと、たいそう感心いたしました。

そして私の中でこのように小沢熱が盛り上がってきたところの、昨日のラジオ出演でございます。
「きらクラ!」全く知らなかったのでwikiを見てみたところ「クラシックに造詣が深くないタレントとクラシック演奏家とのトーク交じえながらクラシック音楽を紹介する番組」との説明。
タレント=ふかわりょうなのですが、このふかわりょうこそが今回大変良い仕事をしたのです。
昔はたぶん、こんなにいろいろと語らなかったよなーというような音楽の話、小澤征爾や「知り合いのおじさん」である武満徹の話(もう、こういう彼の置かれた環境がたまりませんね)文学の話をふかわりょうに問われるがまま、さらさらと答えていく内容でございまして、それはそれは面白かったのです。
小沢健二のバックボーンがよく見えたひとときでありました。
(カバーしていたローリングストーンズを地味と表現していて笑ってしまいましたが…)

小沢健二の語る並行世界は、なにも彼が初めて語ったものではなく、文学において昔から語られている題材であります。でも、この本人の独特の出現の仕方が実に並行世界を考えるひとつの材料となっていることは悔しいけれど確かなわけで、面白い存在だなーと思っています、とても。
というわけで、「あの頃」よりずっと好感を持って小沢健二という人を観るようになったのは、ちょっと良かったな、と思いました。たぶんアルバムなど出たら買ってしまうと思います。