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岡村ちゃんに長患い

岡村靖幸「幸福」私なりのまとめ

何度も何度もアルバムを聴き、そしていろいろ考えることが多かった「幸福」。

自分の中のひとまとめとして、備忘録的に書いておきます。
まだまだ聴くけどね。まあ、私の幸福語りはいったん終了。
 
 
岡村靖幸『幸福』
 
まるで空白などなかったかのように、吟味され、計算され、そして彼が感じたものによって放出される一音一音により空間を丁寧に満たしていく作業。
事実、彼の内部ではこの11年半、1秒たりとも音楽的空白期間などなかったに違いない。
そうとでも考えなければこのアルバムの完成度に対する説明は永遠につきはしない。
 
新しいものが出るたび、それは過去の楽曲を内包しつつも、大きな世界へと広がりをみせる。
閉じられた空間を感じさせながらも、突破口は容易に開かれ、強く直線的な光を放ちながら前へ進んでいる。その強く、しかし案外柔らかな光を目にすること、それはまさに至福の瞬間である。
 
自分の創り出す音に対する絶対的自信と、それを支持するものとの均衡がとれた時に生まれ出るアルバムという目で見ることのできる希望の姿。それはこの世に望まれて生をうけ、産まれおちた赤子となんら変わりはない。
 
「常に幸福とは何かを考えている。」
彼が数少ないラジオやテレビ出演でこのアルバムタイトルについて聞かれた際に答えた言葉だ。
彼の中の自問自答は現在も継続中ではあるが、少し、ほんの少し答えが見えたような気がしている。
彼を音楽から切り離して考えることは、申し訳ないくらい私にはできない。
彼の言う幸福は、やはり健康や日々の生活における充実なのかもしれない。しかし必ずやそれが音楽に結びつくだろうと思っているし、今まさにその充実感を自他ともに感じる時期にきているのではないだろうか。
今、彼の音楽からは多くの人との関わりが見えるし、聴こえてくる。
しかし岡村靖幸という名の純度は確実に上がっている。
 
「幸福」というタイトルを今このアルバムにつけた音楽の神様は、なかなか冴えている。

 

 

 

幸福

幸福