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アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

岡村靖幸「できるだけ純情でいたい」

 今まで、岡村作品を買って、歌詞カードというものを見たことがございません。

あれほど歌詞を作るのに七転八倒、四苦八苦をしていると本人が言っているのにかかわらず。
ほんとごめんね、岡村ちゃん
謝り続けて幾年月。いまだにカラオケで岡村の歌を歌うと、新たなる発見があって非常に楽しいのです。←反省の色なし
きっと空耳のまま信じきっている歌詞もいまだにたくさんあるはず。
牛乳パックの正しい開け方をほんの2年前に知った私です。岡村の歌詞の全確認作業はおそらく一生続くことになるでしょう。幸せ。
 
そんな空耳を楽しむ私ですが、今回の「できるだけ純情でいたい」は、すでに歌詞を見ちゃいました。これは大変私にとって珍しいことです。
まず、基本的に最初から聴き取れたのですね。岡村の滑舌が良くなったわけでも、私の耳が良くなったわけでもなく、おそらくすごくはっきりとした世界観が一度に伝わってきたこと、そして岡村が最近気に入って使っている見覚えのある語句がちりばめられていることが聴き取りやすさの理由だったのではないかと思います。
 
さてここから先は、あくまでも私のこの曲に対するイメージなので、ご了承ください。
ずいぶんと苦しい恋じゃないですか、これは。
道ならぬ恋の歌。パートナーが他にいる女性との恋。
きっと仕事もできる、容姿端麗、みんなから憧れられている年上の女性。
彼女は軽い気持ちだったかもしれないけれど、思いが叶って夜を交わした、降り止まぬ激しい雨の夜に。
しかしまた次の日からは今までどおりの関係性に戻ってしまう。
きらい きらい きらい
なんて重ねて言ってみるものの、それは本当の「嫌い」ではない。
決して相手を傷つけたくない柔らかな、そしてわがままな「きらい」なのだ。
こんなに逢いたいのに逢えない。
でも、どんなに自分が「負け」ていることをわかっていようが、この気持ちをとめることができない。めげなくデートしたい。たぶん今まで出したことのない勇気を振り絞って、メッチャむこうみずになっているんでしょう、彼は。
欲張りな女神であってもいいから、降臨してほしい。
また自分だけを見つめるために、目の前に現れてほしい。
 
逢いたい
きらい
深い
そして、したい
 
言葉が重なれば重なるほど、その想いは強くなる。
こんなにも苦しい思いをしているのに、願いが叶うのなら腕ずくで彼女を自分のものにするのではなく、真心をノックしたい、と。その本当の彼女の心に直接触れたい。
そしてまた彼は迷路から抜けられず、思わず目を閉じ、彼女の笑顔を思い苦しみながら眠れない夜を過ごす。
できるだけ自分の心に正直に「純情」でいたいと願いながら。
 
うっとり。
自分で勝手に想像しておいて、うっとりとはなにごとだ!
そう思ってもいますが、本当にこの歌、いい歌。うっとり。
また間奏部分のギター、後半部分のベースの饒舌なことといったら言葉では言いあらわせないほど聴いている私の心が純情になっちゃいます。
そう、今回のこのアルバム、全般を通して言えることは「饒舌」。
前々回のライブツアーのブログで私は、語らないけれど岡村靖幸は饒舌だった、そう書きました。
それを超えた饒舌さがこのアルバムには感じられます。
 
自分の好きな男に語りかけられることの心地よさが存分に味わえるこのアルバム。その一曲目がこんなにもせつないなんて、そりゃ反則だ。
一瞬にして心を持って行かれます。瞬殺。
今まで、この歌を他の誰かが歌ったら、と岡村楽曲で思ったことはなかったのですが、この曲に関して言えば、平井堅の顔が浮かびました。特に「したい したい」のあたりが。
 
心地よく妄想力がかきたてられるこの曲。これをポップと言い切った岡村ちゃん
素敵です。素敵度倍増しです。
 
こちらの曲が一曲目を飾るアルバム「幸福」は、絶賛発売中です。

 

 

 

幸福

幸福