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アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

BRUTUS「特集 松本隆」岡村靖幸インタビュー

BRUTUS(ブルータス) 2015年 7/15 号 [雑誌]

BRUTUS(ブルータス) 2015年 7/15 号 [雑誌]


私は岡村靖幸ファンだから、岡村靖幸松本隆にインタビューしたこの記事についてだけブログに感想を書くとする。
しかし、先に言っておくならば、この松本隆特集、雑誌って頑張ればこんなにいい特集ができるんだ、っていう見本のような本になってる。表紙の紙質まで良いし!(これは切り抜きではなく、丸々一冊保存する上で大事なことですから)

岡村ファンはまず、岡村ちゃんのインタビューを読む前に28ページから始まる松本隆企画会議議事録を読んで欲しい。この松本隆特集号の企画会議の模様が載っているのだが、インタビュアーを知らされた時の松本隆の言った言葉が
「噂の岡村ちゃんだ(笑)。僕のツイッターフェイスブックのタイムラインには年中「岡村ちゃん」ってワードが出てくるんだ。だからたぶん、彼と僕はすごく重なっているんだろうね。」
もう、この時点で私は勝手に岡村ちゃん、良かったね、と泣いている。早い。インタビューも読まないうちから、早すぎる。

おしゃべりエチケットという番組をみなさんはご覧になっただろうか。2011年、スペースシャワーTVで放送されたもの。ナタリーが文字起こしをしているので貼っておく。

ここで、岡村は作詞家としてこんなことを言っていた。
f:id:sakurakanade:20150701145838j:image

あー、やっぱり松本隆か。この番組を見た時に、私はそう思った。私は岡村より数年年下だが、やはりベストテン世代。聴いてきた歌謡曲はかなり共通しているはず。作詞家といえばもう、阿久悠松本隆。そういう世代だ。なにせ録画機能がない時代、必死に画面を見つめていたあの頃。今以上に作詞家、作曲家が目に飛び込んできていたと思う。そして子供だった自分はそれをまたよく覚えたものだ。
だからイモ欽トリオハイスクールララバイは、松本隆さんが作ってくれたんだよ、と欽ちゃんが番組で言った時に、素直にえーーっ!すごいじゃーん!と驚くことができた。そんな時代。

さて、岡村ちゃん、大好きな尊敬する松本隆さんにインタビュアーとして向き合うこととなったわけだ。漏れ聞くところによると、このインタビュー時間、4時間とも5時間とも言われている。さぞや松本先生、お疲れになったことだろう。
だって、インタビューの最初は、こう始まる。
岡村「はっぴいえんどは、それまでにはなかった文学的な世界観の…。」
松本「いきなり始まるんだ(笑)」
岡村「よろしくお願いします。(笑)」
松本「岡村ちゃんはダンスがうまいよね。僕はあんなふうには踊れない。」
岡村「ありがとうございます(笑)。で、はっぴいえんどは(以下略」
どうだろう、この岡村の前のめり感。凄まじい迫力すら感じる。松本先生が岡村の緊張を解きほぐそうとデンスネタを振ったのに、それすら振り切って、という印象すら受ける。
おそらく5時間、この熱量を維持したまま岡村はインタビューを続けたのだろう。だって、今までで一番いいインタビューだもの、これ。歌手名、曲名、歌詞、次から次へと語る岡村靖幸の嬉しそうなこと。松本隆ファン以外の何者でもない。そして私は岡村ファンなので、そんな岡村靖幸の嬉しさを読み取れるこのインタビューが、すごく嬉しい。

特筆すべきは、やはり松田聖子に関する部分だろう。
「とにかく洋楽をたくさん聴いてきて。ああ、僕の耳は成熟したなと思ったんです。もう歌謡曲には絶対戻っていかないんだなと。と思ったら、僕は松田聖子に夢中になってしまったんですね。」
ここからはじまる聖子語り。以下37行続きます。もう「松田聖子」ではなく「聖子ちゃん」です、呼び方が。この部分の岡村の妄想力の素晴らしさね。聖子本人に読ませたい。この部分だけで完全に元は取れた。
4ページに渡るこのインタビュー、非常に貴重な松本先生のお話が盛りだくさん。いいインタビューだと思う、とても。

総じてこの特集号、みんな松本隆のことを語る言葉がきれいだ。言葉にたずさわる人を語る時には、やはり自分の言葉にもいつも以上に責任を持つのかもしれない、人って。相乗効果なのかな、素敵な。

さあ、岡村ちゃんのインタビューをまた読み直してから、他の記事もゆっくり読むとする。しばらく、かなりしばらく楽しめそうだ。
願わくば岡村ちゃんの七転八倒の作詞生活が、このインタビューによって少し和らげばいいな、と。松本先生が語る「実演しなくても妄想だけで結構なんでもできるから。」岡村さんの得意分野だと思いますけどね。煩悩がまだギリギリあるうちに、頑張って下さい、岡村ちゃん