アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

3月11日

今年も「再生」の時が来る。
4年前の3月11日14時46分。
サンテンイチイチなどという記号めいた言葉ではなく、私は3月11日と言い続ける。記号にするのは100年後の世界でも遅くはないだろう。

あの震災の後、しばらく私の中の記憶は途切れがちである。
あまりにも多くのものを見、多くのことを聞き、自分の中の容量を大きく超えてしまったのだろう。
震災の瞬間に会社の窓から見た高層ビル群の異様な揺れ。
奇跡的に仙台の母と電話で繋がった震災後の一瞬。
急いで帰宅する際にタクシーの中から見た自由が丘の塀の崩れ。
翌日出社するため向かった目黒駅からはみ出す人、人、人。
全ての記憶に色はない。モノクロームの写真のような記憶だらけ。

そんな中、初めて色を感じたのはあの年の桜。
毎年当たり前に見てきた桜なのに、私は心底驚いた。あぁ、今年も、こんな時にも桜は咲いてくれるのだ、と。あの時の桜の美しさを私は一生忘れないだろう。

今年も「再生」の時が来る。
この日の14時46分を経て、また私達は生きていく。
必ず咲いてくれる桜を見るために。
必ず咲いてくれる桜を誰かに見せるために。

震災の死者1万5891人、行方不明者2584人。
震災後の体調悪化や自殺による震災関連死は3194人。
避難生活を送る人約22万9千人。
被災3県では恒久的な住まいとなる災害公営住宅の完成が15%にとどまる。