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アイツと、読書と、音楽と

岡村ちゃんに長患い

「ピヤノアキコ。」矢野顕子

音楽

ピヤノアキコ。~the best of solo piano songs~ (SACD-Hybrid)

ピヤノアキコ。~the best of solo piano songs~ (SACD-Hybrid)

今までこの人を通過せずに、ここまで来た私って、いったい何をしていたんだろう。
まさに現在、私を猛省させているのが、矢野顕子、その人です。

きっかけは、ラジオでの「矢野顕子忌野清志郎を歌う」に関するインタビュー。
それまでの私の中の矢野さんは「春咲小紅」だけ。変わった歌い方をする人だなー、だけでした。当時小学生だった私は、作詞が糸井重里であるということにしか興味がありませんでした。子供だったな、自分。

ラジオでは清志郎との思い出話や、彼の音楽の良さなど、この人はなんと音楽を的確に素敵に捉える人なんだろう、と驚きました。その後かかった曲のピアノの音色、この音が私を夢中にさせました。


私の中の理想は、会話なのか弾き語りかの区別がつかないほど、自然に音楽を奏でる、そういう人。以前ブログに書いた作曲家の林光先生は、そういう歌い方をする人でした。いつの間にかピアノを弾き始め、いつの間にか歌をくちずさむ。その出てくる音の全てに命があって、嬉しさ、寂しさ、恥ずかしさ、悲しさがポンポンと心に飛び込んでくる。ラジオでの矢野さんの演奏は、まさにこれでした。


びっくりしました。私は昔からピアノの音色があまり好きではなく、特にピアノ発表会のようなきちんとノルマを果たします、的な音は全然聴いていられません。ただし、林光、そしてやはり作曲家の寺嶋陸也、この二人のピアノの音色だけは、いくら聴いても聴きあきないし、たとえ歌詞がなくとも何を伝えたいのかが分かる。まさしく矢野顕子さんの音色も、私にとっては同じでした。


この感動が忘れられないままブックオフに行くと、ちょうどこのCDが売っていました。
最初に買うのがカバーアルバムっていうのも、どうなの?と自分を責めながらも、いそいそと購入しては家に帰って聴きました。いやぁ、言葉も出ない衝撃でした。


特に「愛について」「ニットキャップマン」は、もう歌の中の世界に完全に引き込まれました。なんたる幸せ!そして「椰子の実」のアレンジ、島崎藤村も腰抜かすぞ!矢野顕子さんのファンの方は、なにをいまさら、とお笑いでしょうが、私にとってはすべりこみセーフ、って感じですよ。今、知ることができてほんと良かった。なんか、自分の知らない音楽って、いっぱいあったんだな、と深く深く思ったアルバムでした。

☆5